毎日の歯磨きで愛犬の歯周病・口臭予防

犬が甘えて顔を近づけてきたときに、犬の口臭が気になったことはありませんか。口臭の原因の多くは歯周病です。3歳の犬の60%~80%が歯周病という報告があります。このように多くの犬が抱えている歯周病ですが、一体どのような病気なのか、どういう症状があるのか、予防する方法はあるのでしょうか。

犬と人間の口の中の違いについて

犬は人間よりも、歯垢が付きやすいということをご存じでしょうか。犬の口の中は人間よりもpH8-9とアルカリ性に傾いているので人間よりも食べ物の残りカスなどが歯垢になるのが早いと言われています。その時間はなんと24時間程度で、さらにその歯垢が歯石(石のようにカルシウムが沈着して硬くなり歯磨きでは取り除くことが出来ない状態)に変化するのは3‐5日で、なんと人間の5倍の速度の変化と言われています。
犬の口を開けた時に、犬歯の根本に黄土色のような塊はついていませんか。もし付いていたらそれは立派な歯石で、人間で想像してみると恐ろしいほどです。口臭がしても無理がないと思います。

歯周病とは一体どんな病気?

歯周病とは、食べ物の残りカスが歯の間や歯周ポケットにあることで、その中で歯周病菌が繁殖し、歯肉が腫れあがり、徐々に歯が痛んでいき、歯がぐらつくようになります。歯がぐらつく時はもう既に、歯の根本の骨は完全に溶けているような状態で、もうポロリと落ちてもいいけれど、辛うじて根本の歯肉と靭帯でつながっているだけなのです。犬自身も、食事の時に痛みを伴うレベルでとても可哀想です。このような状態になると、顔のちょうど目の下のあたりが腫れてきて、ある日そこから膿がどばっと出てくることがあります。飼い主さんは皮膚病かな?と思っていても、実は、それは放ったらかした歯周病のなれの果てなのです。
それだけでなく歯周病菌が繁殖した歯の根本から、細菌が血液を介して全身の臓器に移動してしまい、ほかの病気を引き起こしてしまうことがあります。心内膜炎、腎臓病、肝臓病など、ただ単に口が臭いということでは済まなくなってしまうのです。とても恐ろしいことは十分にわかっていただけましたか。
(参考:犬と猫の歯周病のおはなし

歯周病の時の犬の症状

食事の時に、食べこぼす・鳴く・食べるものを選ぶ・ドライフードを好まなくなったということはありませんか。また、最近よだれがよく出ている、口周りを触ったら怒った、口周りをすごく気にして前肢で触ったり、地面にこすりつけたりするということもよくある症状です。そして、一見、歯周病が原因と思われにくい症状が、眼やにが多い、皮膚の腫れ、鼻水が出るなど、口の周りの別の部分に出る症状です。
このように歯周病の症状は一見わかりにくいものもありますが、何か異変があったらすぐにかかりつけの動物病院を受診しましょう。

歯周病の予防方法

歯周病の予防法は何と言っても日常から歯磨きをされることです。犬の歯磨きは今はもう、動物病院でも歯磨き教室を開いて練習を行うほど、愛犬家の間では習慣になっています。
歯磨き用のジェルや、歯石を付きにくくするスプレー、など、デンタルケア用品や、歯石が付きにくくなるドッグフードも販売されているように、歯周病、口臭に対する関心の高さがうかがえます。(参考:ダックスフンド向き保険はこれ!ヘルニアも補償!
前述したように、もう既に歯石がついてしまっている場合は残念ながら、歯ブラシでは取れないので、人間が歯医者さんでされるように、機械を使って歯石をきれいにしなくてはなりません。そのままいくら歯磨きをしているつもりでも、歯石の上を磨いているだけなので全く意味がないのです。でも人間と違ってその処置の間ずっと口をあけておくことは出来ませんので、もちろん全身麻酔で処置を行わなくてはいけません。必要に応じて根本まで腐って細菌の巣窟になっている歯を抜いてしまわないといけないこともあるのです。でも、口の中がきれいになって初めて新たに歯磨きを始める意味があります。もし心配になった方は一度動物病院を受診して、獣医師に相談をしてみましょう。
まだ、飼って日の浅い方はすぐに歯磨きを始めましょう。お家に来て何年か経つ子もまだ歯磨きをしたことがなければ是非チャレンジしてみてはいかがですか。歯磨きの方法は、歯ブラシを使う方法もあれば、指にガーゼを巻きつけてする方法もあります。初めは口の中にいきなり歯ブラシを入れられると嫌がる犬もいるので、ガーゼを指に巻きつけて歯肉をマッサージするようなイメージで始めるのが良いかもしれません。実際に、近くの動物病院などで実施されている歯磨き教室に通いレクチャーを受けたり、診察室で歯磨きの仕方教えてくださいと気軽に聞いてみてもいいでしょう。
子犬の場合嫌がっても、飼い主さんの頑張り次第で繰り返しているうちにだんだん慣れて受け入れられる可能性がありますが、既に成犬の場合はどうしても受け入れられず飼い主さんが噛まれてしまう場合があります。飼い主さんがけがをしては元も子もないので、犬の性格に合わせながら、少しずつケアを始めることが肝心です。犬のケアは子供のうちから習慣としていくことが大事です。これも人間と同じで、『子供に歯磨きは毎日するのよ』と言ったら嫌々でも毎日の習慣になるものの、歯磨きをしたことのないおじさんおばさんに『これから毎日歯磨きをします』と言っても理解されないのと同じです。子犬のうちから、口を開けたり触ったりする練習をしたり、お耳のなかを覗いたり、肢の裏を見てみたり、ということは大事なのです。特に口を触られるのを犬は嫌がるので、練習することで、主従関係も身に付き、犬も我慢することを覚えるでしょう。きっと万一病気になっても、飼い主さんの手を噛まない様に頑張って薬を飲んでくれるはずです。このように、歯磨きもコミュニケーションのツールの一つとして捉えて頑張ってください。
犬の口臭の原因は、歯周病であることが多いですが、胃腸など他の場所に原因が潜んでいることもあります。飼い主さんがご自身で判断されずに、動物病院へ行きましょう。かかりつけの獣医さんを持ち、安心できる関係を築くことがとても重要ですね。

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